Doctor Blog

おおにしハート歯科、院長によるブログです。
日々の思いや治療、歯やお口についての
豆知識などを書いています。
神戸市灘区東灘区にお住いの方々の
「ホームドクター」を目指し、
チームメンバー全員で日々奮闘中です。

MonthlyArchive: 2021.02

歯周病は完治しないのか?

こんにちは

東灘区の歯医者 おおにしハート歯科の院長 大西です。

 

兵庫県は未だ緊急事態宣言が続いています。

ワクチン接種は一部近日より始まりそうですが、早いコロナ感染の収束を願っています。

 

最近の読書で良かった本があるので、

内容でいいと思った部分を紹介します。

天野敦夫先生が書いた「21世紀のペリオドントロジーダイジェスト」です。

2015年に出た本の改訂版が2020年に内容も追加されて出版されたものです。

 

前回のも良かったのですが、5年で新しい知識が増えています。

まずは、歯周病菌の中で悪性度が高い菌、P.g菌というのがいて、

タンパク分解酵素を持っているということ。(ジンジパインという名前らしいです)

 

タンパク分解酵素とは、お肉料理がパイナップルの分解酵素でやわらかくなるのと同じです。

それが、歯肉を破壊し、免疫抗体も破壊し、出血も止まりにくくします。

そして分解されたタンパク質や血液を栄養としてP.g菌は増えます。つまりとても悪い菌だということです。

 

歯ぐきが腫れている時に、歯磨きをして血が出るのは、歯と歯茎の間のポケットと言われる隙間から出ます。

見えている歯ぐきの外側を傷つけて出血しているのではありません。

この菌が壊している歯ぐきが、かさぶたのような潰瘍を作って血が出やすくなっているからです。

この出血が「歯周病発症」のサインです。

 

歯周病治療では、歯医者でクリーニングを受けて、お口の菌を減らします。

菌の量が減れば、体の抵抗力・免疫力が勝つので、歯ぐきは治っていきます。

腫れも引いて、出血も無くなります。

 

しかし、歯の周りの細菌は減っても、歯ぐきの細胞内(体の中)や舌の表面にもいるので、完全に駆除(除菌)は出来ません。

また、歯ぐきの中でも、抗生物質で菌をすべて殺すことも出来ません。あまり活動していない休眠状態の一部の菌には抗生物質も効かないからです。

そして時間がたてば、また活動を始めて、菌は増えていきます。その結果、歯周病が再発するのです。

 

人によっては、悪性度の高い菌がいなかったり、歯周病になりにくい体質の方もいます。

それでも歯肉炎にはなったり、むし歯にはなりやすかったりもします。

なので歯周病になってない人でも、増えてきたお口の菌を定期的にクリーニングで減らすことが大切です。

 

大変な毎日が続きますが、健康のために、ぜひ歯医者には定期検診に行って、

お口のチェックと、クリーニングで歯周病菌を除菌をしましょう。

それが歯周病を再発させないコツです。

 

必要だけど、不急な歯医者を目指して

こんにちは

東灘区の歯医者 おおにしハート歯科の院長 大西です。

 

昨日、緊急事態宣言の延長が決まりました。

とても、残念です。

病院の重傷者はあまり減っていないので仕方がないと思います。

 

医院でも、最近は体調が良くない患者さんは早めに連絡をくれて、

予約のキャンセルや変更をしています。

働く自分たちも安心できるので、連絡をしていただけると助かっています。

 

ただ問題は、歯医者に行くのが不安だから行かないと言う人も増えていることです。

去年の新型コロナが広まり始めたころは、歯医者さんは感染リスクが高いとうわさになってました。

実際は、この1年間で歯科医院での治療によるクラスター発生は1件も報告されていません。

 

以前から、仕事中は必ずマスク、手袋をして治療を行っています。あとゴーグルもですね。

患者さんに触れる器具は、滅菌したりや使い捨てです。

そして熱があったり、せきが出たり、鼻が詰まっているひとは、そもそも本人が治療がしんどいので

歯医者には来ません。というか口が開けていられないので治療も出来ません。

なので感染リスクの高い人はほぼ来ないし、自分たちも防御してるので感染経路がほぼありません。

 

待ち合い室では、患者さんは皆さんマスク着用で、アルコール消毒と検温もしています。

つまりは、歯医者での感染リスクは低いと伝えたいのです。

 

去年の春ぐらいから来ていない方もいますが、

しばらくぶりに来た方は、お口の菌が増えて、むし歯が大きくなったり、歯ぐきが腫れたりしている方も多いです。

そうするとむし歯治療や歯周病治療で通わないといけない回数が増えます。

当然その分、お金もかかります。

 

歯ぐきの腫れる原因になる歯周病の菌が増えると、ウィルス感染もしやすくなります。

歯周病の菌は、粘膜を表層を壊して、ウィルスを体内に侵入・増殖させやすくする働きをします。

それによってインフルエンザや風邪に何倍もかかりやすくなったりするのです。

 

残念ながら多くの人は、自宅の歯磨きだけでお口の菌が増えないようにするのが難しいのが現状です。

なので症状が無くても、歯科医院には定期的に検診・クリーニングにきてもらうのが必要だと考えています。

 

それによって、むし歯や歯周病を予防出来て、痛みや腫れが起こらなけれな緊急で歯科医院に行くことが減ります。

 

緊急事態宣言中は、不要不急の外出は控えることが必要です。

でも歯医者は、痛みがなければ不急ですが、不要ではありません。

体の健康や、病気の予防、新型ウィルス感染を減らすためにも、しっかり感染対策はした上で、

ぜひ、歯医者に定期検診には来ていただきたいと思います。

 

そして早く世界中の新型コロナの感染が落ち着くのを願っています。

 

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