治療の前に患者様に
お伝えしたい8つのこと

おおにしハート歯科では、治療の前に
できるだけ分かりやすく
来院者のお口の状態を説明していますが
「歯が悪くなる原因」「歯がなくなると、
どんな悪影響があるか」「正しい予防の仕方」など
診療室だけでは話しきれない様々な知識を
少しでも伝えたいと思い、
このページをつくりました。

虫歯とは

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虫歯の原因菌は、
ミュータンス菌という細菌
ミュータンス菌は、歯の表面にくっついて歯垢(プラーク)になります。そしてごはん(糖分)を食べると、プラーク中の細菌が代謝して酸をつくります。
この酸によって歯の表面が酸性(臨界pH以下)になり、歯の表面からカルシウムイオン(Ca)やリン酸イオン(P)が溶けだすことを脱灰と言います。
歯にとってカルシウムやリンは、家の柱のようなもの。無くなるともろくなって、欠けやすくなります。
脱灰してもろくなった部分が、どんどん欠けて穴になったものが虫歯です。
唾液の働き
唾液は酸や糖分を洗い流し、中和してプラークの中を中性に戻します。中性に戻った歯には、逆に唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンをとりこんで再石灰化が起きます。歯が溶ける脱灰と歯が再生する再石灰化は交互に起こっており、酸性に傾いて歯が溶けている脱灰の時間が長いと虫歯になります。
食事のポイント
食事も虫歯のなりやすさに関係します。
特に食事の回数や時間が多いと、その分だけ歯が溶けている時間が長くなるので、虫歯になりやすくなります。
ダラダラと長時間おやつを食べ続けたり、寝る直前の食事は、虫歯のリスクを高めます。
虫歯の出来やすいところ

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一番虫歯になりやすいところは、歯と歯の間です。次に歯のかみ合わせの溝の部分。
そして歯肉と歯の境目の部分です。これらはすべて、歯ブラシの毛先が当たりにくいところです。つまり歯垢(プラーク)が付いたままになり、虫歯の細菌が多い場所。
普段の歯みがきだけでは十分ではないので、定期的に歯医者さんでクリーニングしてもらうことがとても大事です。

歯周病とは

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歯周病は
細菌が引き起こす感染症
歯周病は感染症です。
お口の中にはおよそ400種類の細菌がいて、その中の10種類以上が歯周病に関係していることが分かっています。
歯の表面についた歯垢の中や、歯と歯ぐきの間にいて、痛みがないままに進行して、歯を支えている骨がなくなる病気です。
昔は歯槽膿漏とも言われていて、年をとると誰でも歯がなくなるものだと思われていました。

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歯周病は予防できる
歯周病の怖いところは自覚症状がないことです。
そして無くなった骨を元に戻すのも難しい。
理想としては30才を過ぎたら歯医者さんで定期的に検査することがお勧めです。 歯ブラシは細菌がいる歯と歯ぐきの間には届かないので、歯科医院で歯科衛生士さんにクリーニングしてもらうことが今のところ一番効果があります。
初期・中等度の段階で歯周病治療を始めれば、予防も難しくありません。
歯周病を悪化させるもの
  • ・歯ぎしり、くいしばり
  • ・合わないかぶせものや入れ歯
  • ・喫煙(リスクが5倍)
  • ・糖尿病、骨粗鬆症などの全身疾患

口の中と体は大きく関係します。歯周病が悪化すれば、今度は体にも悪影響があります。
健康のためには、生活習慣の改善や禁煙など、リスクを減らすことも大切です。

予防歯科がなぜ必要か?

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予防をせずに
治療を繰り返すことは
結局歯を失うことになるから
治療だけでは、一度治したところも数年経つとまた虫歯になり、悪くなることが分かっています。
虫歯治療は虫歯の大きさに合わせて行いますが、数年ごとに再治療になり、以下の順番で、だんだん歯が無くなります。
虫歯で歯を失ってしまう順序
  • 小さい詰め物(白いプラスチック)

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  • インレー(部分的な詰め物)

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  • 歯の神経をとる

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  • クラウン(かぶせもの)

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  • 治せなくなり歯を抜く

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  • ブリッジ(固定式)

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  • 部分入れ歯

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  • 総入れ歯

つまり虫歯治療を何度しても、虫歯の進行自体を止めなければ月日が経つ度に再治療となり、歯は無くなっていきます。
ちなみに再治療までの年数は、小さい詰め物やインレーは5年、クラウンは7年、ブリッジは8年だと言われています。

歯周病で歯を失ってしまう順序
  • 歯ぐきの出血・腫れ

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  • 歯がグラグラする

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  • 咬んだら痛い

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  • 抜歯

歯周病は痛みが出ないことが多い病気です。歯ぐきが腫れたまま放っておくと、知らないうちに少しずつ歯を支える骨が無くなります。そして歯が少なくなると、ものが咬めなくなり口の中だけではなく全身に悪影響が出てきます。

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痛くなってからではなく
痛くなる前に歯医者さんに
通う習慣を
しっかり自分の歯を守るには、虫歯と歯周病の原因を知っていただき、虫歯と歯周病の進行を止めて、再治療になることを防ぐことが重要です。
そのために歯医者さんと協力して予防に取り組んでいただければと思っています。
神戸市東灘区のおおにしハート歯科では、一時的な治療ではなく、治療後のメインテナンスを大切にしています。

予防の方法とは?

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ホームケア&プロフェッショナルケア
予防のために必要なのが、ホームケアとプロフェッショナルケアです。
ホームケアとは、家庭での口腔ケアのこと。
対するプロフェッショナルケアとは、歯科医院での口腔ケアのことです。
虫歯と歯周病は感染症なので、ホームケアとプロフェッショナルケアにより、お口の中の細菌を減らすことが目的です。
ホームケア
Home Care

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  • ・毎日の正しいブラッシング(歯垢の除去)
  • ・毎日のフロスの使用(歯と歯の間の歯垢の除去)
  • ・フッ素の使用(フッ素入り歯磨き粉やフッ素ジェル)
  • ・適切な食生活(飲食回数)
  • ・キシリトールの摂取(キシリトールガムやキシリトールタブレット)

※歯垢・・・細菌の塊。やわらかいので、歯みがきで取ることができる。

プロフェッショナルケア
Professional Care

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  • ・むし歯、歯周病、咬み合わせの検査
  • ・歯みがきチェックと健康学習
  • ・PMTC(バイオフィルムの破壊)
  • ・フッ素塗布

※バイオフィルム・・・歯の表面についた細菌が層状に重なったもの。歯に強固についているため、 歯みがきでは取ることができない。一度無くなっても、平均3ヶ月で元に戻ります。

ツルツル!

PMTCとは?
Professional Mechanical Tooth Cleaningの略。歯医者さんで、専門の器具を使って、歯をクリーニングすることです。歯みがきでは取ることができない歯石やステイン(着色よごれ)も取れて、ツルツルになります。

予防効果を高める順番

01
プロフェッショナル
ケア
プロフェッショナルケアで歯の表面のバイオフィルム(細菌の膜)を破壊する。
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02
ホーム
ケア
その後にホームケアで、お口の中の細菌が増えないようにする。フッ素で歯を強くする。
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03
プロフェッショナル
ケア
4ヶ月経ったら、また歯医者さんでPMTCを受け、増えてきた細菌を減らす。

痛くなる前に定期的に歯科医院へ!

これを繰り返すことで、お口の中の原因菌を少ない状態に保ち、感染症である虫歯と歯周病を予防できるという仕組みです。
ホームケアだけでは、歯垢は減りますが歯の表面のバイオフィルム(細菌の膜)は取れないので、効果は低くなります。
ホームドクターを見つけて定期的にプロフェッショナルケアを受けることで、あなたの歯をいつまでも健康に保つことができます。

歯と全身の健康

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全身の健康に
影響を与えるお口の健康
虫歯や歯周病でよく咬めなくなると
・胃腸障害
・栄養障害
・運動能力の低下
などが起こります。
また虫歯や歯周病の原因菌がお口の中で増えて、全身に感染をして広がると、以下のような全身疾患にも悪影響を与えます。

早産

歯周病菌による口内の炎症が、胎児の成長に影響し、早産を引き起こすことがあります。歯周病の妊婦さんは、歯周病でない妊婦さんと比べて、早産や未熟児を出産する確率が7倍とも言われています。

肺炎

歯周病菌が誤嚥(ごえん)により肺に感染し、肺炎を引き起こすことがあります。(誤嚥性肺炎)

糖尿病

糖尿病の患者さんが歯周病にかかっていると、血糖コントロールが難しく、さらに悪化してしまう可能性があります。逆に糖尿病のコントロールができていないと、歯周病の治りも悪くなります。

心臓病

歯周病が重症になると、歯周病菌による炎症から血栓ができやすくなるため、 動脈硬化を招き、心筋梗塞や狭心症などを引き起こすことがあります。
また、心臓の内側にある心内膜の炎症を引き起こし、細菌性心内膜炎になる場合もあります。


そして歯が抜けていくと・・・健康寿命も短くなります。
自分の歯の本数が少ない人ほど、1ヶ月にかかる全身の病気に対する医療費が多いという調査結果も報告されています。
逆に残っている歯の本数が多いほど、歳をとっても自分で歩くことができて、自立した生活を送っている方が多い傾向にあり、また平均寿命も長くなります。
歯の予防をすれば、しっかり咬めて、体も健康になりずっと元気に生活できます。しかも長生きできます。
歯の予防の大切さが分かりますよね。

ホームドクター(かかりつけ歯科医)がいると長生きする

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治療と予防で
健康を守り続けるために
「ホームドクター(かかりつけ歯科医)」とは、しっかりした治療とメンテナンス(プロフェッショナルケア)をし、地域医療に貢献している歯科医師のことです。
症状が出てから治療のためだけに受診している歯科医院は「いきつけ歯科医」といわれ、別物です。
65歳以上の男女を対象とした6年間の死亡率を、ホームドクターがいる人といない人で比較した調査があります。

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65歳以上の男性の死亡率を比べると、ホームドクターがいる人は17%、いない人は21%です。
65歳以上の女性の死亡率を比べると、ホームドクターがいる人は9%、いない人は20%でした。
ホームドクターがいる人の方が、 明らかに死亡率が低くなっています。ホームドクターがあり、健康で長生きする人は以下のような特長があり、身体的・社会的・精神的健康が優れている傾向にあります。

  • ・お口の中が健康的で、歯の本数が保たれている。
  • ・食べ物がおいしく噛めて、消化吸収もよい。
  • ・感染による肺炎や心臓病が予防できる。
  • ・表情や会話に自信がもて、社交的である。
  • ・歯や口の健康に関心が高く、歯間ブラシやフロスの使用頻度が高い。
  • ・要介護状態になりにくい。

ホームドクターと出会うために

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いいホームドクターの条件とは
もしホームドクター(かかりつけ歯科医)をこれから探すなら、以下のような条件を満たす歯科医院を選ぶのがポイントです。
  • ・口の中の悩みについてよく聞いてもらえる。
  • ・症状や治療法についてわかりやすい説明をしてもらえる。
  • ・虫歯治療だけでなく、歯周病予防からメンテナンスまで対応してくれる。
  • ・相性がよいと感じられる。
  • ・自宅または勤務地の近くにある。
  • ・必要に応じて、適した専門医や病院を紹介してくれる。
  • ・一緒になって治そうとする気持ちが伝わってくる。

自分の健康に責任を持つ。 そのための手助けをしてくれるのがホームドクターです。
是非自分のお気に入りの歯医者さんを見つけて下さいね。

日本の現状

自分の歯が20本以上残っている人の割合

4人に1人は
8020を達成
皆さんは「8020運動」をご存知でしょうか?これは、厚生労働省や日本歯科医師会により推進されている「80歳で20本以上の歯を残そう」という取り組みです。
平成21年度の国民健康・栄養調査によると、自分の歯が20本以上ある75歳〜84歳の方は、26.8%でした。これは、平成16年より3.8%増えています。 およそ4人に1人は、8020を達成しています。
60歳代だと64.1%、50歳代で80.9%、40歳代で93.8%が20本以上となっています。
昔に比べ虫歯も減り、総入れ歯になる人も減っています。 素晴らしいことだと思います。

75歳以上で「何でも噛んで食べられる」人の割合

そして75歳以上で20本以上自分の歯がある方は、 83.8%もの方が「何でも噛んで食べることができる」と回答しているのに対し、歯が19本以下の方は46.6%、全体の半数以下の方しか「何でも噛んで食べることができる」と回答していません。
やはり年をとっても歯があることで、 満足な食生活を送れることがわかります。

参考文献
・the Quintessence Vol.29 No.11 かかりつけ歯科医のすすめ 患者の健康増進に寄与するために
・健康長寿元気のためのかかりつけ歯科医のすすめ 東京都港区芝歯科医師会・芝エビ研究会

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